『月夜のデザイン列車』 【3】
「ヒロコはどうするん?決めたん?」
「あんね、ウチは美術やないとこ行こう思うんよ。」
「えっ?美大行かんの?」
「うん…、ウチのデッサンじゃ受からんと思うんよ、やけん、愛大受けようとおもうんよ。」
「えーっ?! 愛大?共通一次あるやん!」
「うん… ウチ、デッサンの才能無いから、普通の勉強するわ。」
愛大、つまり愛媛大学といえば、国立大学。
アユミたちの居る愛媛県ではレベルが高い。
偏差値が高くないと受からない大学だ。
ヒロコは勉強がよくできた。
愛大へ行くのも現実的な話かもしれない。
対するアユミは、勉強はからきしダメで、数学にいたっては中学レベル。
だから、受験科目が少なくて実技重視の美術系学校はありがたかった。
ただし実技試験のレベルの高さは除いて。
“田舎から美大って、無理なんやろか?…”
“ウチ、実技あかんかったら勉強もあかんし、どうなるんやろ…”
アユミはヒロコの進路変更を聞いて、ますます不安がふくらんできた。
窓のそとは薄暗くなり、コウモリが飛び始めた。
「アユミ、もう帰ろ。帰りにチョコドリンク飲まん?」
「う、ん…、そやね。」
自転車のライトをつけて並んで走る二人。
ヒロコはあこがれている先輩に告白したいが、
受験に受かってからにしようかどうかと話している。
一方アユミはそれを聞き流しながら、自分の将来が
実は濃い霧に包まれていることを実感しはじめていた。
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2009年08月14日 コメント&トラックバック(2) | トラックバックURL |
カテゴリ: 月夜のデザイン列車
トラックバック&コメント
コメント

1 ■なるほど・・・。
素朴だけど、芯の強さが隠れている女の子ですね(*^▽^*)
ガンバレ!アユミちゃん!
応援してますわ!
(他人じゃないしね・・・笑)ヾ(@^▽^@)ノ
2 ■Re:なるほど・・・。
>アユミさん
鋭い!
芯があるんですよ、この娘は☆
おなじ名前ってことで
末永くかわいがってあげてくだされ~
http://ameblo.jp/waktal-jp-com/