「1個130円を切ったら、商売にならないよ!」と叫ぶ社長さん。その根拠を聞いて驚いたこととは。
2018年11月24日

今回の話は、原価設定の話です。
ある商品を開発して売りはじめた企業さん。
プロモーションをかけて知名度向上を図ったところ、ぼちぼちと売れ始めたけれど、なぜかお金が残らない。
「これはもっと売らねば!」とのことでパッケージを変更し心機一転!
多少売上は上がったものの、初期投資が増でキャッシュフローが悪化。
3期分の決算書を拝見したところ、CFは、前前期が-/-/+、前期が+/-/+、今期は-/0/0状態に。(0は大きくキャッシュが動かなかったってことです)
これ、ギャンブルに例えると、負けが続いてるからお金を突っこんて、多少の勝ちが出たのでまた突っこんだら大負けして、資金が尽きて借金が残った状態です。
社長さんの話を聞いていると、売れば売るほど赤字なんじゃねーか?とのことで、「売価130円を切ったら儲からねーよ!」とのこと。
その根拠を伺ったところ、現場の作業スタッフから言われたとのこと。
曖昧な原価と売価設定があることがわかりました。
そこで私からは、商品ラインナップごとに原価を調べてみませんかと提案。
原価割れしてるのにパッケージ変更したら、たとえ売れても赤字が増えるだけです。
決算書から、原材料費、労務費、包装費、付随する変動費などを足して、営業利益から引くと…原価率58%という数字になりました。
この数字のまま商品を卸したら、利益出ないですよね。
そこで、ふたたび提案。製造工程見直しませんか?原材料の調達方法も含めて。
社長さん、数字は苦手とのことですが、そこをわかりやすく整理するのはデザイナーの得意分野です。
というわけで、商品の製造工程を見直して原価設定しなおすことになりました。
私はその取り組みを、サポートしていく役目を担うことになります。
前向きな検討になったのですが、ひとつ残念なことがあります。
…またデザインの仕事を取り損ねました。(苦笑)
最近はこういうパターンが多くて、デザインの仕事になりません(^^;