文字の美しさに気を配る

文字の美しさに気を配る

デザインにもいろいろあるけれど
商業デザインの世界でなんとかやって18年になる。

アシスタント時代はまだマックなどなく、写植全盛だった。
だから発注前に必死で文字組を考えたものだ。

もし間違えば地獄の段組作業だ。
一字ずつカッターで切り離し、割り付けていく。

行間を開けたり詰めたりもやった。

しかし、その経験がいま役だっている。
文字の美しさをシビアに見れるのは、
当時の苦労のおかげかもしれない。

フォントの選び方はもちろんだが、
文字の大きさ、行間、字と字の間隔は
ちょっとしたことなのでけど、すぐにわかる。

そして読み手のほうが、実
は潜在意識で解っている。

高級感があるとか、無いとか。
信頼感があるとか、無いとか。
読みやすいかどうか。
無意識にみんな感じてる。

それを理解せずに妙な書体をチョイスしたり、
自分のつくった文字組に注意を払わないデザイナーは
残念ながら素人以下だ。

文字の美しさは、情報の発信元のブランドにも
関係があることを理解すべきだ。

下の文字は試しに組んでみたものだ。

①は変わった書体を使ったもの。
印刷屋さん系列のデザイナー(実はオペレーター)がよく使う。
結論から言って読みにくいだけでマイナス効果である。

②はおとなしく明朝を使っているが、字間がバラバラ。
間延びして説得力が無い。

③は字間をツメたもの。
単に詰めただけでなく、バランスが良いように微妙に字間を変えている。

明朝なのですこし弱い印象だが、
それが繊細さのあるデザインコレクションを想像させる。
ゆとり時間のある女性層がターゲットだ。

長い本文など、すべての文字を詰めることは不可能だが、
せめてタイトルまわりや、目立つところくらいは手を入れたい。

なにも高度なことではない。
基本である。

基本があるから、クリエイティブが活きる。
気が配れるから、信頼される。

こういったことが出来ない自称デザイナーさんを見ると、
“頭使ってないな” と思ってしまう。

仕事ではなく、作業と化しているわけだ。
これ、実に多い。

突飛なアイデアや報酬のことを云々言う前に
基礎体力をつけてはいかがかと思う。

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