FABが模索する新しいモノづくりのプロセス
2012年12月16日
先日の出張で、渋谷にあるFABLAB(ファブラボ)へ行きました。
そこで私が見たかったのは、どんなモノづくりのアプローチを
おこなっているのかということです。
渋谷の東急ハンズのすぐ近くにあるクリエーター向けのシェアオフィス、
コーラボ(C-LABO)は、
様々なクリエイターが入居するインキュベータルームのようなもので
セキュリティがしっかりしていて、運営もしっかりしている印象。
(飯尾が入居する西条市のインキュベータとは大違いだ…汗)
対応してくださったUさんはとっても人当たりのいい方で
対等に対応していただきました。
(急に田舎から行くと相手にされないことが割と多い)
沢山お話させていただき、その考え方、運営スタイル、目指すところには
ものすごく共感を得ました。
同時に、ああ、ワクタルのやりかたも間違っていないんだな、と
背中を押された気分です。
FABとは?(ウィキペディアから引用)
ファブラボ(ふぁぶらぼ、英: Fab Lab、fabrication laboratory)は、 「ほぼあらゆるもの(”almost anything”)」をつくることを目標とした、3Dプリンタやカッティングマシンなど多様な工作機械を備えたワークショップ。世界中に存在し、市民が自由に利用できる事が特徴。「ほぼあらゆるもの」の中には、大量生産・規模の経済といった市場原理に制約され、いままでつくり出されなかったものが含まれる。ファブラボは、個人が、自らの必要性や欲求に応じて、そうした「もの」を自分(たち)自身で作り出せるようになるような社会をビジョンとして掲げており、それを「ものづくり革命 (Industrial (Re)volution:第2次産業革命)」とも呼んでいる。「ファブ」には、「Fabrication」(ものづくり)と「Fabulous」(楽しい・愉快な)の2つの単語がかけられている。
ボストンのMITから始まったこの流れはいまや世界中に広まっていて、
いまや100カ所を超えるラボが設立されているそうです。
日本では鎌倉、筑波、渋谷が中心的な活動拠点のようです。
FABは3つの理念を掲げているそうです。
・シェア
・メイク
・ラーン(スタディではない)
私なりにFABを解釈してみると、
<シェア>
オープンで開かれた環境にあるということ。これはインターネットの考え方に相当します。
ネット社会では課金型のグーグルやフェイスブックも、もはやオープンではないでしょう。
シェアもまたオープン性によるものだと思います。FABの連携による知の共有、あるいは知識バンクもまたオープンであるということになります。シェアすることの恩恵に授かれるのは社会的弱者であり、貧困層であり、あるいは田舎モノであったりします。富めるものはシェアしなくてもやっていけますから。
<メイク>
つくるということですが、これは“実現する”ということも表していると思います。つくることでなにが実現できるのか?それは富裕層へのアプローチではなく、ソーシャルな問題の解決であることを指しているのではないでしょうか?もっと簡単に、安く、便利につくろ。そしてそのための知恵や知識をオープンソースで入手し、正しく使って社会へ還元する。これがメイクではないかと思うのです。
<ラーン>
学びは知恵を授かることであり、新たな課題への気づきでもあります。メイクのプロセスを経験することで学び、そして新しい課題解決への模索をおこなう。これってPDS,PDCAのさらに上位概念であるSPDLIのLに相当しますね。私は幸いITCプロセスを学んでいたのでこの考え方は未来を創出することは理解できます。
そして最もFABがCOOLであると思うのは、そこにクリエイターが介在しているということです。
いまの物作りのプロセスでは上流から下流への流れが常で、パワーゲームの一面があるのですが、FABはこの流れではない、まるで川の支流に分け入って新しい水路を開くように思えます。
これはまだFABをよく理解していない私の推測ですが、
これから真正面から学んでみようと思います。
ワクタル、これからが楽しみです。